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冬の空とイルミネーション 01
歩いて居たら、ふと冷たい何かが頬を撫でたので、
気になり空を見上げた。
するとそこには、今年最初になる雪、が降っていた。
吐く息も白く、目の端に紛れ込むイルミネーションに、
ざわめく嬉しそうな笑顔たち。
今日が大人も喜ぶクリスマスイブだということを、また不意に思い出していた。
……そうだ、もうあれから一年が経っていたのだ。
もういくら願っても帰ってこない、あの日々。
いくら戻らないから、諦めようと思っても、
それはまるで意味を成さず、日に日に思い出は募るばかりだ。
苦しくて仕方がないので、いっそのこと忘れたいとも願ってみるが、
到底叶うはずもなく、ただ日々が過ぎた――
眺めなおした雪空に、あの日の情景を思い描いた。
それは去年のなんの変哲もないある日のことだ。
強いて言えば、もう十二月も後半で、
町並みはいそいそと、クリスマスの準備に賑わっている。
広い公園の時計台が見えるベンチの側で、
自分は愛しい彼女の到着を待っていた。
付き合い始めてもう二年にもなる彼女との、
いつもどおりの待ち合わせ。
今日はどんな笑顔を連れてくるのかとわくわくしながら、
イルミネーションの映える夜景の公園に、彼女の姿を探す。
自分は小さなケーキショップのパテシエをしている。
方や彼女は美容師だ。
二人とも落ち着いた性格であるため、飛びぬけてラブラブということは表に出さないが、
ちゃんとお互いのことを想っている、
所謂大人のカップル……の、つもりだ。
今日はお互い仕事の後にしか会えないので、
一時間ほどしか共に過ごせないが、それだけでも全てが満たされる。
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name 楓